江國香織さんの「落下する夕方」を読んだ。

江國香織さんの「落下する夕方」を読んだので、感想を書きたいと思います。

あらすじ

梨果と八年一緒だった健吾が家を出た。それと入れかわるように押しかけてきた健吾の新しい恋人・華子と暮らすはめになった梨果は、彼女の不思議な魅力に取りつかれていく。逃げることも、攻めることもできない寄妙な三角関係。そして愛しきることも、憎みきることもできないひとたち…。永遠に続く日常を温かで切ない感性が描いた、恋愛小説の新しい波。

「BOOK」データベースより

華子になりたい?

はじめ、華子になりたいと思いました。

1ミリグラムの誤差もなく、正しい重量をもった「おかえりなさい」が言える華子。

無口なのに、いるだけで物がみんな奇妙に息づいてしまう華子。

多くの男性に愛される華子。

逃げてばかりの華子。

でも華子は華子で苦しかった。

みんなが華子を愛して、勝手に傷ついていく…自由なようで不自由な生活に疲れてしまったんじゃないかなと思います。

一方的に愛されたり執着されたりってしんどいですよね。

私のようなくだらないアラサーでも、若かりし頃は一方的に想われることがありました。

勝手にヤキモチ焼かれたり優しくされて期待されたり、挙げ句の果てに嫌われたり…

私なんかよりも、ずっと想われる華子はもっと窮屈じゃないかな…やっぱり華子にはなりたくないな。

華子には本当は手に入れたいものがあって、それが何なのか自分でわかるようでわからなくて、そういう悲しみもあったんじゃないかなと思います。

別れた相手を憎めない

別れた相手を憎みきれないどころか、想い続ける梨果。

「あんな男のどこがそんなにいいの?」と思うけど、恋愛なんてそんなものなのかなと思います。

他の人からみたら「どこがそんなにいいかわからない」でも本人は言葉では言い表せないような些細な仕草や何気ない言葉を愛していて、執着してしまう。

私は、健吾がでていったあとも 泣き喚いたりしなかった。仕事も休まなかったし、お酒ものまなかった。やせも太りもしなかったし、友達に長電話をしたりもしなかった。怖かったのだ。

そういうことをどれか一つでもしたら、別れが現実に定着してしまう。

江國香織「落下する夕方」より引用

読んだあとの気持ち

「梨果よかったね、他にええ人いっぱいおるって!」とはならないお話でした。

寂しくて悲しい。

だけど生きていかなきゃいけない。

例え好きな人に他に好きな人ができても。

大切な人を突然失っても。

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